グラフィックチップのリフローとリボールの作業はなぜ無駄なのか?

リフローとリボール後の修理品を弊社で取引する機会が多く、依頼者の方々には説明しましたが今回この場を借りて細かく説明する事にしました。

GPUチップ交換

グラフィックチップのリフローとリボールの作業はなぜ無駄なのか?


GPUチップ 画像1

画像1をご覧下さい。こちらは通常のBGAチップの構造です(GPUを含む)。
リフローとリボールの作業を行っている方達は半田クラックはチップケースと
マザーボードの間の問題だと考えていますが(画像_#1)
本当の接続不良の問題はシリコンダイとチップケースの間が原因です(画像_#2)
なのでリフローとリボールの作業では修理出来ません。チップ交換のみ修理が出来ます。

画像2 電子顕微鏡によるNVIDIAのGPU写真

リフローとリボール後、なぜ動作可能なのか?

リフロー、リボールをする時、高温でチップの素材が膨張し、(マイクロBGAボールの下のシリコンダイも含む)
そして接続を直しますが、一時的です。この作業で直ったと思われる動作の期間ですが、様々です。数時間から数ヶ月です。
各状況で異なり、初めのダメージやチップのタイプなど(異なるチップにより、症状も異なります)使用方法次第です。
例えば、1日1時間のみ使用している場合、長い間の使用が可能ですし、もし1日10時間毎日使用する場合、比較的すぐ再発します。
また、リフローとリボール自体は何度も出来ません、数回後、全く動作しなくなります。

注意

修理作業の経験がない方や知識のない方がこのリフロー、リボールを行うとマザーボード自体を破損する可能性が高いです。
なぜなら、慎重な作業が必要で、プロファイルの決められた温度をプロのIR-半田機械を使用しての作業が必要になります。
ヒートガンや台所オーブン(Youtubeから)では使用出来ません。もし使用した場合、急激に高温になりプロファイル通りの温度を保つ事が出来ません。
そして、マザーボードが必要以上に高温になり、曲がってしまい、ヒビが入り、断線し、焦げてしまう場合もあります。こういった症状が出た場合、再修理は不可能になってしまいます。

こういった事で、リフローとリボールの作業は時間とお金が無駄で修復不可です。


これらはオーブン使用後の画像です。チップ、カードはポップコーンの様な泡状に歪んでしまいました。

なぜビデオチップが不都合になるのか?

温度の振動が不都合の原因です。
ビデオチップは熱い部品の一つです。
使用時、ビデオチップは熱くなります(負荷をかけると稀に100℃まで上がります)
電源を落とすと温度は下がります。
それを毎日繰り返します。時間が経過すると段々と接続不良になっていき故障します。

クーリングが十分でないと、不都合も早く現れます。
また、製造上、元々クーリングシステムが弱い場合もあります。
その他、不良品のチップの場合もあります。こういうチップの場合、100%故障します。
また他の原因もあります。

半田クラックの原因では、ありませんか?

もちろん、半田クラックの原因、チップとマザーボードの間の場合もあります。
私の経験上、1%ほどの原因でありました。

GPUチップ交換の実績

もし、ご質問がありましたらこちらまでお問い合わせ下さい。なるべく回答します。


こちらで弊社のビデオチップの交換作業の様子です。

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