液体金属と液体サーマルパッドのDIYメンテナンスの注意点

liquid metal

液体金属のトラブル

近年、パソコンにおける液体金属(リキッドメタル)やDIYメンテナンスに関するトラブルが増加しています。

液体金属は約1年ごとに交換が必要です。交換せずに長期間使用すると結晶化が進み、本来の性能を発揮できなくなります。

また、ユーザー自身で清掃やメンテナンスを行う際に、誤って液体金属をマザーボード上に広げてしまうケースも少なくありません。その結果、高価なCPUやGPUチップが損傷し、交換部品のコストが非常に高いため、修理が経済的に見合わなくなることがあります。

ノートPCにおける液体金属(LM)の主なリスクは、「高い導電性」と「拡散しやすい性質」にあります。万が一、液体金属がCPUダイから漏れ出してマザーボード上に付着すると、ほぼ確実にショートを引き起こし、機器が完全に故障してしまいます。

**ショート**
一般的な熱伝導グリスとは異なり、液体金属は非常に高い電気伝導性を持っています。ヒートスプレッダーの外へ漏れたり、露出したSMD部品(抵抗器やコンデンサなど)に付着したりすると、瞬時にショートが発生し、ノートPCが故障する可能性があります。

**金属腐食**
液体金属は他の金属に対して強い腐食性を持ち、脆い合金を形成します。また、長期間の使用により銅製ヒートシンクにも浸食が進み、研磨や交換が必要になる場合があります。

**DIY交換時のリスク**
CPUやGPUへ液体金属を塗布する際、わずかな作業ミスでも高価な部品に重大な損傷を与える可能性があります。

### よくあるミスその2

ゲーミングノートPCでは、定期的な交換が必要な液体サーマルパッド(熱伝導パッド)が使用されている場合があります。しかし、これを一般的なCPU用サーマルグリスで代用してしまうケースが見受けられます。

ノートPCにおいて、サーマルパッドの代わりに一般的なサーマルグリスを使用することは**強く推奨できません**。その結果、過熱、サーマルスロットリング、さらにはGPU・電源回路(VRM)・CPUの故障につながる可能性があります。

主な理由は以下のとおりです。

**隙間が大きすぎる**
サーマルグリスは表面の微細な凹凸を埋めるために設計されており、塗布厚は通常0.1mm以下です。一方、サーマルパッドは0.5~3.0mm程度の隙間を埋めるために設計されています。通常のグリスではこの隙間を埋めることができず、ヒートシンクがチップに適切に接触しなくなります。

**適切な圧力が得られない**
隙間を埋めるためにヒートシンクを過度に締め付けると、繊細なチップダイを破損する危険があります。また、グリスが押し出されてしまい、十分な放熱が行えなくなります。

**電源回路(VRM)の過熱**
電源回路上の部品には1.5~2mm程度の高さの違いが存在する場合があります。サーマルパッドがないと、これらの部品が適切に冷却されず、過熱によって故障する可能性があります。

ご自身でメンテナンスを行う際は、十分にご注意ください。

最新のノートPCやグラフィックカードには、適切な材料と慎重な作業が求められます。小さなミスひとつで、深刻な故障や高額な修理費用につながる可能性があります。
実際、弊社ではこのような症状の修理依頼が多数増えております。

当店ではメンテナンスサービスも承っております。
料金は **10,000円~20,000円** からとなります。